いつもの白いさくら

日記がわり

函館市長選挙と新幹線乗り入れ

函館市長選挙で、現職を破って大泉市長が誕生した。

いろいろな話題があるところではあるが、函館市民の現状を打破したいという気持ちが大きく表れた結果だったと思う。

観光地としても一級地、中心部までは来なかったとしても、北海道新幹線新函館北斗開業もあったのに、道内市町村の中で人口減少率がワーストに近いらしい。

いろんな函館市民のツイートやコメントを見ると、どうも観光業として町が潤っても、市民は潤わない、行き渡らないという、市民としては住みにくい町だ、ということだった。

観光を中心とした町に住んだことがないのでなんとも言えないが、観光客がたくさん来て、仕事も回って、市民も暮らしやすくなる、という循環ができない状態が何で作り出されたのか、不思議でならない。

 

そんな、大泉市長の公約の一つに、北海道新幹線の函館乗り入れに関する調査を行う、というものがあった。

あくまで乗り入れを実現させる、ということでは無く、どういう形で乗り入れを実現させることができるのかの調査から入る、ということだ。

これは、前市長の時代に乗り入れは必要では無く、はこだてライナーで十分という発表をしたことがあったそうだ。

当然、JR北海道だって札幌延伸時には新函館北斗から函館までも経営分離すると決めていたのもあるし、函館の乗り入れよりも、札幌延伸のほうに力を入れたいという考えもあっただろうから、その当時はそれで収束になったのではと思う。

本当はそこで、せっかく函館の近くまで新幹線が来ているのだから、もっと函館を魅力的な町にして、観光でも市民生活でも、函館っていいよねと思わせる町作りをしなければならなかったはずだ。

それによって、人口増や観光需要増を誘発して、新幹線の乗り入れをした方がいいよね、という状況に持っていければ、もっと新幹線の乗り入れに関しての議論は高まっていたはず。

そういう意味で、前市長は何をやっていたのかと、函館市民では無いのに思ってしまう。

正直、いじめ問題などで子育てなんてこんな所で出来るかと思わせた旭川市よりも、函館の方がよほど将来性があると思っている。

 

ただ、鐵坊主さんなどいろいろな有識者の話を聞くと、乗り入れをさせるのになかなか難しいところが大いにあるのはわかっている。

そこをあえて、調査からでももう一度函館乗り入れを実現させたいと、市のトップが思って行動していくだけでも、何か変わるのでは無いかと期待してしまう。

 

個人的には、新函館北斗〜函館のミニ新幹線化はメリットも十分あると思う。

もちろん、東京方面からの新幹線客は、新函館北斗で乗り換えしなければならないのは変わらないが、乗り換え先はミニとはいえ新幹線車両。

はこだてライナーの733系のような通勤丸出し電車ではないので、旅行気分が削がれることはあまりないだろう。

そして、ミニ新幹線での函館乗り入れは、基本的に札幌〜函館間の限定車両で、函館には札幌からの客を運んでくるのをメインとするので、実は飛行機で新千歳空港に入ってきた函館だけじゃない北海道観光客を、札幌から1時間ちょっとで函館まで運んでくる、という流動も担う。

幌延伸が開業しても、東京〜札幌の最速列車はどんなに早くても4時間半と見込まれている。

これだとやっぱり飛行機客は半数以上いることになるし、LCCや早割などもあって、東京〜札幌間は実は飛行機の方が安い、ということも言えるので、飛行機で道内入りしてくる人は多いはず。

そして新千歳空港に着いた観光客は、明確な目的地が無い限り、まず札幌に移動する。

そんな札幌から、たったの1時間ちょっとで函館まで行けるのだ。

極端な話、今は出来ない、1日で札幌と函館を回る、ということが現実的になるのだ。

ぶっちゃけ、旭川よりも時間的には函館が近くなる。

旭川の見所というか寄り所は、旭川醤油ラーメンと旭山動物園ぐらいだと思う。(道民歴20年以上の僕でもそう思う)

だけど、函館はそれはそれは見所、寄り所がたくさんあって、北海道に来たなら是非行ってほしい観光地なのだ。

そういう客を年がら年中、札幌から新幹線で直接函館へ、函館駅前から市電で観光地各地(バスでもいいけど)へ移動できたら、函館は本当に行きやすい、観光しやすい地へと変わるだろう。

そのためには、東京方面からの新幹線客より、飛行機で札幌観光に来た観光客を、短時間で函館に引き入れる起爆剤にも出来そうな気がする。

もちろん、乗り入れが無くても、札幌〜新函館北斗は1時間足らずで、改札はあれど対面式ホームで階段やエスカレーターを使わずにはこだてライナーに乗り換えできるので、函館まで1時間15分ぐらいで到着できるかもしれない。

でも観光客ほど、乗り換えはない方が喜ばれるはず。

大きな荷物を抱えて、乗り換え先はロングシートの通勤電車733系で20分揺られなければならない。

僕だったら正直興ざめする。

目的地は新函館北斗では無く、函館なのだから、乗り換えなしで新幹線車両のまま函館駅まで行きたいと思う。

そうで無くても、せめてはこだてライナーに使われる733系は、全車uシートタイプでもよかった。

地元の通勤通学にも使われるはこだてライナーではあるが、札幌近郊でも721系が未だ現役で走りまくっているので、ロングシートにしなくても十分使っていける車両になっていたはずだ。

結局の所、どうせ2030年度には経営分離し、車両ごと設備を譲渡することになるので、その当時の最新形式である733系とか言いながらそのまま製造しただけで良いだろうという考えだったんじゃないかと勝手に妄想する。

そんなわけで、新幹線車両の乗り入れが出来なかった場合でも、せめて733系を転換クロスシート車に置き換えたいところ。

だんだん話が脱線してきたが、とにかく北海道新幹線の札幌開業によって、函館は北海道観光としてさらに行きやすい地になるわけで、これを生かさない手はないはずだ。

そういう意味で、新幹線車両の乗り入れは是非とも実現してほしい所だ。