JR北海道がらみでは、まだ新聞でのニュースでしかないが、札幌~旭川間と札幌~新千歳空港間の高速化の話が出ていた。
公式では4/1に発表予定らしい。
まあこの高速化のびっくりな話は、札幌~旭川間は最速60分で、札幌~新千歳空港間は最速25分で結ぼうということだ。
まずは札幌~旭川間の話。
現在、最高速度120km/hで最速1時間25分かかっている。
これを単純に昔のように130km/hに上げたとしても、とても25分早くすることは出来ない。
その昔のスーパーホワイトアローは、岩見沢、滝川、深川停車で1時間20分だった。
785系での運用だったので、現在使用している789系0番台や1000番台はもう少し加減速性能が高いと思うので、130km/h化して美唄と砂川を通過すれば、1時間15分ぐらいでは結べるのかもしれない。
それでもまだ15分足りてない。
そうなると、結局は低速区間の高速化と最高速度のさらなる向上が必要なはずだ。
低速区間と言ってもどこら辺が速度を落としているのかよくわからないが、深川~旭川間が他区間と比べて多少時間がかかっているのもあるので、ここら辺の線路の改良とか、厚別駅のように通過線がスルー化されていないことによる速度低下とか、改良できる場所は多々あるかもしれない。
それでも、札幌~旭川間は137キロあり、これを単純に60分で結ぶとなると、最高速度130km/hに上げたところで到達できない。
結局は最高速度の向上が必須なわけだ。
じゃあどれだけ高速化できれば60分になるのか。
単純に、137キロを60分で走るとなると、表定速度は137km/hにもなる。
そんな在来線は今までなかったはずだ。
現在最高速度160km/hで走っているスカイライナーで見てみる。
160km/hで走る区間の空港第2ビルから印旛日本医大までの距離は18.1キロで、その区間をノンストップで8分30秒で走り抜けている。(youtubeの車窓動画で見たので、もしかしたらもっと速い便があるかもしれないけど)
この区間の表定速度は127.76km/hになるので、最高速度160km/hにしても表定速度は130km/hを超えられない。
仮にこのスピードのまま137キロを走りきったとしても、65分かかる。
今時札幌~旭川間をノンストップというのはあり得ないし、最高速度160km/hにしたところで所要時間60分というのはとても届かない。
果たして、なにをもって60分を目指しているのか、とても不思議だ。
もしかして、新幹線化を考えているのか?
そしてもう一つ、札幌~新千歳空港間の25分というのもある。
現在、特別快速エアポートで新札幌と南千歳停車のみで最速33分としている。
こちらも最高速度を130km/hに上げたところで、8分もの短縮は無理だろう。
となると、結局はさらなる高速化という話になる。
ただこちらはもしかすると160km/h化で届く可能性はある。
札幌~新千歳空港間は46.6キロなので、速度制限のないノンストップで25分で走り抜けるとしても、表定速度は111.8km/h出せれば可能だ。
これなら全区間160km/hにしなくても、カーブの少ない直線区間を引き上げるだけでも可能かもしれない。
北海道新幹線が出来ることで、特急北斗系統がなくなるのでその分線路容量は余裕が出る。
そして、現在の特別快速エアポートを30分に1本間隔に出来れば、空港利用者と沿線利用者との住み分けも可能になるかもしれない。
それこそスカイライナーのような棲み分けが出来れば、快速エアポートを複雑怪奇に分ける必要もなく、すっきりシンプルに出来るかもしれない。
特別快速エアポートが25分で走り、それが30分に1本あるなら、空港利用者は使いやすい。
こちらはある意味現実的で、今の状況を考えても高速化と棲み分け化が両立できそうな高速化は有りな気がする。
ただ最高速度の向上は、懸念がある。
そもそもなんで今、JR北海道管内は120km/hが最高なのか。
以前は130km/hでバンバン走っていたのに。
それは、10年以上前になるが、車両火災やデータ改ざんなど、高速化を推し進めていた矢先の連続の事故により、車両への負担軽減や軌道への負担軽減、それに関わる作業員への負担軽減を掲げて、全路線の高速化取りやめを行い、最高速度を引き下げた。
それまで、高速化に顕著だった札幌~函館間、札幌~釧路間などは、いまや所要時間も30分以上延び、車両も高速化に特化した車両ではなく、全方面で使える汎用特急車両に置き換えての運転になっている。
確かにそれから大きな事故は発生していない。
利便性は低下したが、車両が燃えてしまっては安心して乗ることは出来ないので、今の環境でノウハウを蓄積し、安全第一で進めていることはJR北海道の努力のたまものだろう。
だけど、それを踏まえて以前のように130km/hに再引き上げしても安全第一でいけます、という事を飛び越えて、いままでなかった高速化を目指すってのは、正直ちょっと怖い気がする。
乗車時間が短いのは確かに楽かもしれないが、それよりも乗って快適というほうが、25分から33分になった所でそんなに苦ではないはず。
それこそ、特別快速エアポートなんてのは全席uシート指定でも良いぐらいで、大きな荷物も余裕で置けるシートピッチにリクライニングシートであれば、8分延びても快適に思えると思うのだが。
少なくとも僕はエアポートに乗るときは基本指定席を取るので、いつでもuシートに乗れるというのであればありがたい。
空港からの帰りは止まっている次発の空いている方に乗ってしまうのであんまり指定席は取ったことはないが、札幌や新札幌から乗る場合は自由席列に並ばなきゃいけないとか、新札幌の場合はそもそも自由席の時点で立ち席を覚悟しなきゃいけないので、疲れるようなことをして空港に行きたくない。
そういう意味で必ず座れる高速バスの利用が人気なのもわかる。
なので、JR北海道にはもう少し快適に利用できる方に舵を切ってもらいたい。
札幌~旭川利用者なら60分という時間短縮はとてもありがたいと思うが、それ以上に帯広、釧路、北見、網走、稚内など遠方利用者の時間短縮の方がありがたいのではないだろうか。
函館は新幹線が来ることで乗り換え有りだとしてもいままでの3時間半から1時間半程度で到達できることになるので、ものすごく変わると思う。
函館と旭川では、今はまだ旭川の方がいろいろと重要視されるところかもしれないが、今後は都市としても逆転する可能性も秘めていると思っているので、前の話の続きになってしまうが、JR北海道も新幹線の函館直通の実現に前向きでいてもらいたいと思う。