いつもの白いさくら

日記がわり

ほくでんの値上げについてのリリースが出た

ほくでんから、電気料金の値上げに関するリリースが出たので読んでみた。

燃料費調整額の計算もやっと理解出来たので、ここに書いておくことにする。

 

www.hepco.co.jp

 

うちは、エネとくシーズンプラスという自由料金プランで契約しているので、その話から。

まず基本料金が50Aの場合、1760円から1925円に、10%弱値上げになる。

そして、200kWhまでの冬期料金が5399円から8393円に55%の値上げ。

夏期料金が4633.4円から7623円と64%もの値上げ。

むちゃくちゃ高くなってる。

200kWhを超えた1kWhあたりの単価は、冬期料金が34.86円から51.98円(49%)、夏期料金が29.36円から46.48円(58%)に値上げ。

こちらもむちゃくちゃ高くなっている。

 

従量電灯Bのほうはどうかというと。

基本料金が50Aの場合、1705円から1870円に、こちらも10%弱の値上げ。

そして、120kWhまでの単価は23.97円から38.82円(62%)、120kWh~280kWhまでの単価が30.26円から46.61円(54%)、280kWh超の単価は33.98円から50.80円(49%)の値上げになる。

いずれの単価も50%前後の値上げで、単純に単価だけで見たら、1.5倍以上の値上げ幅になる。

 

これで、なんでニュースとかで平均35%の値上げとかって言っているかというと、燃料費調整額の計算が変わったことによる、燃料費調整額が少なくなったから、その分が差し引かれているということだ。

燃料費調整額は、規制料金では3.66円、自由料金では1月分は9.91円になっていた。

これがまるっとほぼなくなる計算で、そのためにトータルで35%という値上げ幅で報道されている。

 

燃料費調整額は、以下の計算式で求められる。

(「毎月の平均燃料価格」ー「基準燃料価格」)÷ 1,000 × 0.197

まあめんどくさい。

 

基準燃料価格というのが、ほくでんでは37,200円という価格に決められていた。

なので、この計算式で、1月の燃料費調整額を計算してみる。

1月の平均燃料価格は、87,500円と発表されている。

2023年1月分電気料金の燃料費調整について - 北海道電力

(87500 - 37200) ÷ 1000 × 0.197 = 9.9091

つまり、燃料費調整額は9.91円となっていたわけだ。

じゃあなんで従量電灯Bの燃料費調整額は、上限の3.66円というところに張り付いていたのか。

それは、毎月の平均燃料価格という金額に上限が設けられていたから。

これが規制料金と言われるところで、基準燃料価格の1.5倍を最大値にしなさいよ、と国に規制をかけられていたのだ。

基準燃料価格の1.5倍の価格は、55,800円。

なので、従量電灯Bの燃料費調整額は、以下の計算式で求められていた。

(55,800 - 37200) ÷ 1000 × 0.197 = 3.6642

つまり、3.66円だったわけだ。

実際の1月の平均燃料価格は87,500円にもなっていたのに、規制があるおかげで55,800円でしか計算できなかったため、燃料費調整額の差額6.25円(9.91 - 3.66)が顧客には請求できずに、ほくでんが肩代わりしていたわけ。

この燃料費調整額も合わせた電気料金を元に、値上げ後の電気料金の値上げ幅を計算していたので、平均34%という数値がニュースで出てくるのだ。

 

そして、この基準燃料価格も値上げ申請しようとしている。

ほくでんの発表では、37,200円から、88,100円にするということだ。

そうなると、燃料費調整額の計算式は、以下のようになる。

値上げ開始の6月の平均燃料価格は今はわからないので、仮に1月の平均燃料価格で計算する。

(87500 - 88100) ÷ 1000 × 0.197 = -0.1182

燃料費調整額は、マイナス0.11円になるのだ。

これが、前に書いたまるっとほぼなくなる計算の内容だ。

今、この燃料費が高騰している価格を基準価格として、そこから増減させていこうと言うことなので、燃料費調整額はほぼほぼなくなったことになる。

もちろん、これから燃料費も落ち着いていけば、マイナス幅は大きくなるので、電気料金としては安くなる。

ただこのご時世、当面燃料費は高い気がするので、ほぼ無くなったとはいえ、電気料金単価が50%前後も値上がりしたのだから、結局電気料金は大きな値上げになるわけで。

 

結論として、これまで規制料金としての従量電灯Bは、燃料費調整額の上限があったために自由料金に比べて安かったが、その燃料費調整額の計算方法が変わったことで上限に達しなくなったので、ぶっちゃけ従量電灯Bは他の自由料金よりも高くなる可能性が大きい。

エネとくシーズンプラスで計算して比較してみる。

値上げが開始されるという6月の燃料費調整額はまだわからないので、とりあえず1月の平均燃料価格から計算した、マイナス0.11円を使うことにする。

 

50Aの契約で、400kWh使ったことにする。

エネとくシーズンプラスは、19,850円(夏期料金)、21,720円(冬期料金)。

従量電灯Bは21,418円となった。

これなら自由料金プランの意味が効いてくる。

年間トータルでは、エネとくシーズンプラスの方が安くなるだろう。

エネとくLプランの場合は20,696円になるので、自由料金プランのほうが確実に安い。

 

もちろん、今後も燃料費が高騰していき、また上限に張り付けば、規制料金の方が安くなることもあり得る。

値上げ後の燃料費調整額の上限は、

(132150 - 88100) ÷ 1000 × 0.197 = 8.67785

となるので、この額と自由料金の電気料金の安さが相殺される燃料費になってしまえば、従量電灯Bのほうがまた安くなるわけで。

そうならないことを祈るばかりだが。

 

ちなみにだけど、2年前の2021年6月の燃料費調整額は、マイナス2.48円だった。

平均燃料価格が24,600円だったので、値上げ後の計算式に当てはめてみると、

(24600 - 88100) ÷ 1000 × 0.197 = -12.5095

となって、かなり割安になるわけだが、それでも電気料金単価が上がったことが大きすぎて、2年前の料金よりも高くなる。

燃料費が落ち着いてきたから、電気料金を値下げします、なんてことにはならないんだろうなあ。